高く 遠く | IKUKO KUSAKA Masterpiece Management


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(正面)                                  (裏面)

                       Photo by TETSURO CHIHARADA
                                         撮影地:天童高原スキー場

題名 ・・・・・ 『 高く 遠く 』



white.jpg寸法 ・・・・・ 高さ52×幅45×奥行き17(cm)

材質 ・・・・・ インド産黒御影石 

価格 ・・・・・ 574,000円(税込)
         532,000円(本体価格)

制作年 ・・・ 2009.4




 作品制作の意図(思い)


『人間一人ひとりが、それぞれ一回きりの「生」を生きる
 ということをテーマに制作いたしました。


 誰しもが、たった一回きりの寿命を生ききる
生きなければならないということを
緊張感ある造形で表現したいと思いました。




 この作品で、私がかたちのモチーフとしたのは
 石を割るときに用いる「矢」(楔・くさび)でした。


 およそ三角形と言えるまでに、単純化した矢のかたちの中に
 見て下さる方が、意識の上で上るための階段を造形しました。


 この矢という道具は
 一つの石の塊を真っ二つに割るのに用います。


 そこに一発、強い打撃の力を加えれば
 石は一瞬にして割れてしまう・・・。


 そんな大変化の可能性をはらんで
 矢が石の上に屹立するような、緊張感の上に成り立つ「生」を
 私は表現したい、しなければならない
 と思いつめる気持ちで、制作をはじめました。

 それは私が、人の一生というものは
 大なり小なりいつも決定・決断の上に成り立っている
 と考えているからです。




 昨今、生きていくことがとても厳しく
 困難なことのように語られ

 この作品を制作していた頃
 私自身も実際にそう感じていました。


 私自身、この作品を制作しようという思い切るのに
 気持ちの上で痛みを感じるような時期にあったのです。




 そんな時期に、石の上に屹立する矢で
 一回きりの「生」を表現した、というと
 この文章を読んでくださっている方は
 私が「生」を消極的で、ネガティブなものにとらえて
 表現しているのだと思われるかもしれません。


 けれども、私が本当に表現しようとしていることは
 全く逆なのです。


 私自身、痛みを伴うような
 思いつめた気持ちで作り始めたこの作品は、制作が進むにつれて
 大変化の可能性を秘めた自分自身の人生を生きる
 というポジティブなイメージに変化していきました。


 私は、どんなに困難と思われる状況の中でも
 人間に生まれることができたからには
 心・精神は常に自由に「高く 遠く」を目指して
 一回きりの「生」を生きたていけたら・・・
 いえ、生きていきたい! と心から願っています。




 そんな祈りを込めて
 この作品を見て下さる方にも、その方ご自身の
 一回きりの人生を謳歌する「元気」を届けられたら・・・
 という思いで制作いたしました。


 この作品を見て下さる方が
 意識の上で、この階段を上りながら
 ご自身の「生」と向き合い
 対話するような時間が提供できたなら
 私はとても嬉しく思います。』